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腎臓病

腎臓病についてご案内いたします。

腎臓病の特徴

一般的に、腎臓病の初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、自分で腎臓病だとは気付きにくく、発見が遅れてしまうケースも多々あります。慢性的に低下した腎臓の機能は正常の機能に回復する可能性が低いので、早期に診断を受け、病気の原因や症状を把握し、治療を開始することが重要です。

また、腎臓病になると腎機能障害の進行に伴いその多くは血圧が高くなるので、腎機能障害の進行を抑えるためにも、高血圧の治療が必要となります。

腎臓病の原因

腎臓病になる原因は実に様々ですが、その多くは、腎臓疾患そのものにもとづく一次的なものと、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症などによって引き起こされる二次的なものに分けることができます。

基礎疾患がなく一次的に発症する腎臓病

一次的に発症する腎臓病は、特にほかの基礎疾患がなく、腎臓の障害によって発症すると考えられます。腎臓の血液をろ過する糸球体の障害によっておこる糸球体腎炎(急性、慢性)や糸球体に免疫物質が沈着するIgA腎症、微笑変化群、膜性腎症、ネフローゼ症候群、などがあてはまります。いずれにせよ、蛋白の量に差はありますが尿蛋白が認められます。

基礎疾患によって二次的に発症する腎臓病

二次的に発症する腎臓病は、いずれも、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症といった基礎疾患による血管の動脈硬化性変化の合併症である場合が多いので、基礎疾患の有無を確認し、きちんと治療することが大切です。

代表的な4つの腎臓病

代表的な腎臓病である腎硬化症、腎不全、尿路結石・腎結石、ネフローゼ症候群についてご説明いたします。

腎硬化症

腎硬化症とは?

高血圧は主要な臓器に様々な障害を引き起こします。なかでも腎臓における障害を腎硬化症と呼びます。いかにも腎臓が硬くなったような印象を受けますが、正確には腎臓の血管が硬くなったことが病気の本態です。

腎硬化症は大きく良性腎硬化症と悪性腎硬化症に分けられ、前者は50~60歳代の男性に多く、後者は30~40歳代の男性に多いとされています。

高血圧などによる動脈硬化が原因となり腎臓が障害されると、血液を含む体液が血管内に増加するとともに、腎臓から血圧を上昇させるホルモンが増加するためさらに血圧が上昇するという悪循環に陥ります。

透析療法の適応となるケース

腎硬化症は、腎機能が低下すると血液透析が必要となる疾患の一つです。ですが、今のところ日本で血液透析を受けている方の原因は、第1位が糖尿病性腎症で、高血圧は第2位となっており、腎硬化症になったからといってすぐに透析の適応となるわけではありません。

透析療法の適応は、腎機能低下が慢性的に持続し慢性腎不全の状態になり、さらに腎機能の悪化が進んだ状態になった場合、腎不全の合併症が認められる場合など、総合的に判断します。基本は、まず腎機能の低下を予防するための治療を行います。

腎不全

腎不全とは?

腎不全とは、基礎的な疾患には関係なく(一次的、二次的疾患に関係なく)腎臓の機能が低下して正常に働かなくなった状態をいいます。腎臓全体の病気の状態を指しているため、糖尿病による腎障害でも、高血圧による腎障害でも、一次的に発症する糸球体腎炎でも、腎障害の程度や腎障害の期間により腎不全と表現される場合があります。

尿蛋白が早期の腎機能障害の目安となる場合が多く、高血圧や糖尿病、高コレステロール血症といった合併症がなく腎機能が正常でも、早期の腎機能障害では尿蛋白が確認されるケースがあります。治療の基本は、塩分制限を含めた食事療法と、高血圧の治療が基本となり、病気の状態により薬物療法が追加されます。血液透析の適応は、腎硬化症の場合と同じです。

急性腎不全と慢性腎不全の違い

腎不全には、急性に発症する急性腎不全と慢性的に進行する慢性腎不全があります。感染症などで発症することが多い急性腎不全は、病気発症時の腎機能が正常な場合には回復する可能性が高いです。一方、慢性的に進行する慢性腎不全は回復する可能性が低いため、原因となった基礎疾患があればそれを含めて総合的に治療することが重要です。

慢性腎不全は高血圧や糖尿病、高コレステロール血症といった病気が先行し、それらの基礎疾患の進行が腎機能の低下を早めます。慢性腎不全の状態に風邪などの感染症が合併すると、さらに低下を早める場合があります。「腎臓病には、風邪は禁物」といわれるのはこのためで、早期の治療が必要となります。慢性腎不全の合併症は、高血圧、腎不全による貧血、骨量の低下、尿毒症の症状、血液中のカリウム値の上昇などが考えられます。

尿路結石・腎結石

尿路結石とは?

尿路結石とは、腎臓でつくられた尿が膀胱にたまったあと、体外に排泄されるまでの通路(尿路)に結石ができる病気をいいます。結石は、尿中に含まれるカルシウム、シュウ酸、リン酸、マグネシウムなどの成分が結晶となったものです。結石ができる原因は、尿路感染、代謝異常、ホルモン、薬などの影響がありますがおよそ約80%は原因不明です。

強い痛みのない腎結石と激痛の尿管結石

尿路結石は、結石ができる場所によって腎臓結石(腎結石のこと)、尿管結石、膀胱結石、尿道結石という病名に分けられます。腎臓結石は腎臓の中に結石ができるもので一般的に強い痛みはありません。

結石が尿管に移動すると激痛を伴う尿管結石となります。特に尿管が細くなる3ヶ所に結石がつまりやすいといわれています。結石が尿管を通って膀胱に出ると膀胱結石となり痛みはなくなります。通常、腎結石、尿管結石が腎機能を悪化させることはありませんが、尿が出ない状況が持続すると腎機能が低下する場合があります。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群とは?

ネフローゼ症候群とは、高脂血症(高コレステロール血症)、低蛋白血症、高度な蛋白尿、浮腫(眼瞼や下肢)を主な症状とし、糸球体基底膜の透過性の亢進を一次的異常として認める症候群です。

糸球体基底膜の透過性の亢進により、腎臓から尿中に蛋白が漏れ出すため血液中のアルブミン(蛋白の成分)が減少し、その結果として手足のむくみが出現します。また、血液中のアルブミンが減少すると反応的に肝臓でアルブミンが多く産生されるため、同じく肝臓で作られるコレステロールや中性脂肪も多く産生されてしまい、血液中の脂質の値が高くなります。

自然治癒はなく、早期の入院治療が必要

特に季節性はなく、症状はむくみで始まります。尿蛋白が強陽性で、血液検査では、アルブミンが低下し、脂質が増加します。基礎疾患がない場合は腎機能が正常な場合が多いのですが、自然治癒はありません。早めの診断および入院治療が必要となります。若年層(特に幼少期では男子)に多く発症しますが、30代男女の発症例も多数報告されています。

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